県議会報告
Shiga Prefecture Assembly
滋賀県議会 令和5年12月定例会議
12.12国の経済対策に伴う補正予算の質疑に立つ
12月12日の本会議において、かわいは国の経済対策に伴う一般会計補正予算について質疑を行いました。現状、物価上昇に負けない賃上げが重要です。物価上昇局面の賃上げを念頭に質疑を行いました。主なやり取りは以下の通りです。
滋賀県における物価の状況は?
大津市の本年10 月の生鮮食品を除く消費者物価指数は前年同月比で2.5%上昇。特に生活に必要な「食料」の指数は前年同月比で9.2%上昇。一方、国の毎月勤労統計調査によれば実質賃金は前年同月比マイナス。物価高騰に賃金上昇が追いついておらず、家計を圧迫するなど、県民生活に広く影響を及ぼしている。
「賃上げ」への予算の振り分けが重要。県の補正予算の構成の考え方は?
議員指摘の「賃上げ・人材確保対策」と、そのための環境整備にもつながる「県内投資の促進」を、それぞれを取組の柱として位置づけ、今回の重点支援地方交付金の総額約22億円のうち約16億円を充当。企業の成長と賃上げの好循環が生み出されるよう組む。
「中小企業等の賃上げ・人材確保に向けた環境整備応援事業」の積算根拠は?
県内の中小企業・小規模事業者は約34,600。令和5年度第2四半期の滋賀県景況調査で「業務改善ができずに賃上げをしていない」と答えた割合が約1割、また、令和4年に実施した働き方改革に関するアンケート調査で「中小企業で公的支援等に関心がある割合」は約3割。これらから1,100 件を対象とした。
【かわい】滋賀県未来投資事業の賃上げへの期待する効果は?
事業者の生産性向上や新事業展開、人材育成等の取組を促すことによりまして、付加価値額の増加を図ることで、賃上げの原資を確保し、持続的な賃上げにつながることを期待。
今は物価上昇局面における賃上げを可能とする施策が必要では?
賃上げの実現は、本事業のみで達成できないが、価格転嫁に向けた取組の促進や、業務改善に向けた環境整備の支援など、国とも連携しながら総合的な対策を講じることで、持続的な賃上げにつなげていきたい。
滋賀県議会 令和5年9月定例会議
09.28賃上げについて問う~9月定例会議一般質問
今回の一般質問の項目は「賃上げ」。
現在の社会における所得向上の必要性について知事に問い、「所得が向上することで、個人消費が拡大し、企業収益の増加により、企業は、さらなる投資やイノベーションの促進を図るなど、経済の好循環を生み、本県経済の活性化にもつながることが期待できる。また、少子化対策に向けた若い世代の所得増など、社会課題の解決を図る上でも所得向上は必要。目下の物価高騰に対して、物価の上昇を上回る所得向上を実現し、実質所得を押し上げていくことが重要。」との答弁でした。
実際に受け取る賃金が変わらなければ、物価が上昇している局面においては実質的には賃金は下がっていることになります。この物価上昇分への対応は必須だと考えます。特に30年におよぶ物価と賃金の停滞を当たり前と思っている感覚を変える政策が必要です。中小小規模事業者が賃上げに前向きになることが何よりも重要、そのための支援ができないか?さらに県が行う民間に委託している事業で「賃上げ」が可能となる「価格転嫁」ができる仕組みが整っているか、など確認を行いました。
この国の課題の解決のための「答え」と言える「賃上げ」を県政でも意識して政策を実行することを提言しました。
現社会における所得向上の必要性について認識を伺う。
所得の向上は、個人消費が拡大、企業は収益が増加し、投資やイノベーションの促進につながるなど、経済の好循環を生み、本県経済の活性化が期待される。また、若い世代の所得増は、少子化などの社会課題の解決を図る上でも必要。目下の物価高騰に対しても、物価の上昇を上回る所得向上を実現し、実質所得を押し上げていくことが重要だと認識している。
県内の賃上げ状況は?
県が6月30日現在で実施した民間労働組合を対象とした調査では、定期昇給を含めた妥結額は9,477 円で対前年比4,067 円の増加、賃上げ率は3.07パーセントで対前年比1.30ポイントの増加。物価高騰等の影響を受け近年になく高い水準であると認識している。
特に中小企業ではどうか?
企業規模が従業員300 人未満の労働組合の集計結果では、定期昇給を含めた妥結額は6,608 円で対前年比1,698 円の増加、賃上げ率は2.48 パーセントで対前年比0.62 ポイントの増加。
中小企業の賃上げの動きが弱い要因を問う。
中小企業にとっては、コロナ禍からの回復途上で経営基盤が未だ安定していない中、エネルギー・原材料価格の高騰に対し価格転嫁が十分にできていないこと等が要因と考えている。
奈良県のような賃上げへの支援策が必要ではないか?
既に生産性の向上や処遇の改善等を条件とした支援策が講じられているが、国が一律で実施することが望ましい。県としては、県内中小企業においても賃上げが可能となるよう、国の助成金等の支援策の周知に努めている。 今後、県内中小企業において構造的な賃上げが実現できるよう、国の経済対策の状況を見極めつつ、県として可能な対策を検討していく。
価格交渉や価格転嫁が適切に行われるための県の取り組みは?
県実施の第1四半期の景況調査では「50%以上価格転嫁している」企業は約30%であり、十分な価格転嫁ができていない状況と認識。コスト上昇分を適切に転嫁することは重要であり、国の総合的な対策と併せ、適正な取引関係のもとでの価格交渉や取引価格への適切な反映など、サプライチェーン全体の共存共栄につながる取り組みの拡大を、経済団体へ要請している。
「賃上げ」に適切に対応できる新年度予算とする必要があると考えるが知事の見解を伺う。
新年度予算編成においては、賃上げに係る対応を含めた今般の国の経済対策を注視し、必要な対応を検討する。
2023.10月
決算特別委員会の総括的質疑質問に立つ
経済の状況は、コロナ禍の影響からの回復途上にあるとされていますが、「県税収入」はコロナ禍前を超えています。回復の「途上」と見るか否かで、今後の経済に対する政策は変わると考えます。県内経済の状況を正しく判断する必要があると考え、その見解を問いました。また、コロナ禍に対応する大きな予算と数多くの事業が効果的であったのか検証を行うよう改めて指摘し、事業後の対応を確認するなど、質疑を行いました。
県税収入が増加した要因は?
令和4年度の県税決算額は、1,841億1,340万円余となっており、コロナ禍で税収が減少した令和2年度から、2年連続の増加となった。主な要因は、法人二税が、企業業績の回復傾向が継続し、昨年度に引き続き大きく増加したほか、個人県民税における給与所得等の増加や、自動車生産の回復による自動車税の増なども、県税増加に寄与した。
税収の状況を踏まえて、経済回復の状況の見解は?
経済の動向を反映しやすい法人二税の決算額に関しては、コロナ禍前を超える水準となった。業種別では、運輸業、宿泊業など未だ厳しい状況にある業種や企業があるものの、税収回復が顕著であった輸出を中心とする「製造業」から、飲食、小売業などの「非製造業」まで、広くコロナ禍以前の水準まで税収が回復している。一方で、ウクライナをはじめとする世界的な情勢不安や物価高騰が続いているほか、金融・為替市場の動向による企業業績への影響など、県内経済を巡る不確実性は依然として高い。
みんなでつくる滋賀県安心・安全店舗認証制度の今後の取扱いは?
令和5年5月8日の5類感染症への移行に合わせ、事業者に制度の終了を周知したところであるが、現在でも認証店ステッカーを掲示している店舗が一部あることから、今一度制度の終了について周知する。また、認証店として登録、協力いただいた事業者に対して、今回の関係を活かして、他部局とも連携し、県の情報プラットフォームやメールマガジンなどを通じ、県の施策や有効な情報を提供できるよう努める。
滋賀県議会 令和5年6月定例会議
<一般質問>カスタマーハラスメント対策について
2020年9月に滋賀県議会の一般質問で初めて「カスタマーハラスメント」を取り上げて問題提起をしましたが、そのフォローアップです。前回質問の答弁について取り組み状況を確認し、国での動きを紹介しながら、もう一歩進めるための提言を行いました。
消費者への倫理的な消費行動を促す取り組みが必要でないか?
消費者の自立の支援の観点から、消費者が適切な意見を伝えられる環境づくりが大切であり、過度なカスタマーハラスメント防止対策は、事業者への申し出や消費生活センターへの相談を躊躇させる恐れがあると考える。その上で、過大な要求など、主張内容や伝え方に問題があるものは、ハラスメントや場合によっては犯罪にあたることから、様々な機会を通じて、議員紹介の消費者庁が作成した「消費者が意見を伝える」際のポイントを周知するなど、消費者に対し、倫理的な行動を促す取組を進めることが必要と考える。
次期消費者基本計画や消費者教育などにカスタマーハラスメントを具体的に盛り込むことを提案するが見解は?
一部の自治体では消費者基本計画の中にカスタマーハラスメントを盛り込んでいる。カスタマーハラスメント防止対策は、消費者教育における新しい課題であり、今後、本県の消費者基本計画の改定作業にあわせて、国の動向や県の消費生活審議会の議論を踏まえ、必要な対応を検討していく。 なお、計画改定を待たず、出前講座などの消費者教育の中で、消費者の適切な声を抑制しないよう配慮をしながら、倫理的な行動を促す取組を進める。
大きく変わったのは「消費者への倫理的な消費を促すための取り組み」の答弁です。前回は企業側の取り組みについてしか答弁がありませんでしたが、今回は消費者への働きかけに関する答弁を得ることができました。カスタマーハラスメントの問題は、ハラスメントを受ける労働者への悪影響にとどまりません。企業や組織にとっても販売機会の損失、利益の喪失、生産性の低下、労働者の離職、企業イメージの悪化など様々に悪影響があります。これらは社会の損失でもあります。また他の消費者を委縮させます。消費者と事業者のどちらか一方でなく、双方がともに尊重される社会を目ざして、これからもカスタマーハラスメントを社会からなくす動きを作るべく取り組みます。