県議会報告
Shiga Prefecture Assembly
滋賀県議会 令和6年6月定例会議
<一般質問>「和装文化」について
お祭りでの浴衣、成人式での晴れ着、冠婚葬祭での和装、私たちの国の伝統的な衣装である「着物」ですが、本物がなくなる危機にあります。日本の文化の根幹ともいえる和装文化をいかに次世代につなぐか、という観点で質問を行いました。
県内の和装に関わる産業の現状は?
湖東麻織物や高島綿織物は、現在大半が和装分野以外に用いられている。一方、長浜縮緬は、生地のほとんどが着物用。和装需要の低迷、輸入品や化学繊維等との競合、コロナ禍による冠婚葬祭の簡素化等の影響を受け、昭和47 年に1,692,000 反だった生産量は令和4年で11,900反とピーク時の1%以下まで減少している。
これまでの県内の和装に関わる産業への支援は?
①省人化や生産性向上につながる設備、消費者ニーズに即した商品開発に必要となる設備の導入、販路開拓等への支援。 ②環境負荷低減につながる製品開発など、消費者を意識した取組に対して支援。 ③東北部工業技術センターでの技術的な支援、などを行ってきた。
危機的な状況を打開するためには、消費者側に働きかける支援が必要では?
「需要者側に働きかける」購入支援について、産地で製造された生地が着物として販売されるまでには様々な工程があり、また様々な素材のものが流通している状況であり、購入支援が県内産地の生産者への支援にどの程度つながるのか、効果が一過性にとどまらないかなど、慎重に検討する必要がある。
着物を着る機会を増やす取り組みは?
着物を着ていただくために、まず和装に関わる産地のことや、歴史的な背景、技術などの魅力を知っていただき、和装に関心を持っていただくことが重要と考える。今年度の「地場産業・伝統的工芸品魅力発信ベース検討事業」において、長浜市、米原市、高島市の北部地域で地場産業・伝統的工芸品の製作実演・体験、展示による魅力発信の拠点について検討する。「着る」機会を設けるには、様々な調整が必要で、具体的にどのような体験、展示等が可能か、今後検討していきたい。
学校における和装教育の取り組みの現状は?
中学校や高等学校の家庭科で「日本の伝統的な衣服である和服に触れる」とされ、冠婚葬祭や儀式などで着用すること、洋服との違いなどについて学んでいる。県内では、地域の専門の方にお願いし、浴衣の着付けなど、和服の基本的な着装を扱っている学校もあり、近年、増えている。実際に着ることは、和服のよさを体感し、興味・関心をもつきっかけになるものと考える。
日本文化の学び、教育の状況について伺う。
県内の小中学校では、講師を招いて茶道、華道の体験をしたり、琴の演奏体験をしたりする学校がある。また、中学校の総合的な学習の時間では、「伝統文化学習」として、琴、尺八、剣舞、華道等の学習をしている学校もある。これらの学習を通じて、伝統的な日本文化を学び、どのように受け継ぎ、伝えていけばよいかを考え、実践できる生徒の育成を目指している。
和装文化を次の世代に継承する今後の取り組みは?
和装文化を継承していくために、和装に関わる産業の振興、支援という視点。和装文化に親しむ教育や、それに関連する伝統文化、伝統的な日本文化をどのように学ぶのかという視点。日常生活の中で「着る」視点。これらの視点で相互に連関させながら考えることが重要だと考える。また、国際交流の中で、日本文化を改めて見直し、私たちも実践していくという視点も大事にしながら、この和装文化を改めて見直し、そして親しむ機会を増やし継承させていくという、こういう好循環を一緒に生んでいければと思う。
他に「災害発生時の避難所の開設について」質問を行いました
2024.03月
03.05「賃上げ」に対応した予算となっているか~予特質疑
社会の「賃上げ」に対応しているか?新年度予算を見るときのポイントの一つとしました。
一例として、先生の業務を支援するスクールサポートスタッフ(教員業務支援員)の給料の積算単価は、2023年度予算も2024年度予算も1,000円/時間となっています。最低賃金は2023年10月に927円/時間から967円/時間に改訂されて40円上昇したところです。社会では「物価上昇」に負けないよう「賃上げ」の実現に向けた取り組みが進んでいて、国でも首相が賃上げについて言及している中、国の予算が対応していないからではありますが、昨年と同様の積算単価で良いとは言えないと考えます。
課題があることを指摘し、国への働きかけはもちろんですが、県として対応する必要があることを提言しました。
(写真は予算特別委員会での分科会長報告の時のものです。)
2024.02月
02.22リバーシブルレーンの運用停止の影響は?~2月定例会議一般質問
<一般質問>道路交通状況の変化への対応について
県道高島大津線のリバーシブルレーン運用停止の試行が行われています。シミュレーションに基づいて、尾花川交差点から北側の区間を北向き2車線、南向き1車線に、南側の区間を北向き1車線、南向き2車線に固定化しています。概ねシミュレーション通りとのことですが、時間によっては渋滞が悪化しており、迂回によって周辺道路が渋滞する、路線バスの到着時刻が遅延する等の影響があることが質問を通して明らかになりました。もともと渋滞する道路であり、改善を図る必要があります。
路線バスなどへの影響は?
路線バス事業者によると、午前7時台から9時台までに当該区間を通行する堅田駅発のバスが大津駅に到着する時刻が、今回の試行開始直前の平日5日間の平均約7分の遅延が、試行開始後2月第2週は平均約10分の遅延になったとのこと。
渋滞の悪化への対応が必要だと考えるが、今後の試行の進め方は?
現地の交通状況を確認しながら、信号周期の調整を行い渋滞の緩和を図っている。今後も渋滞の緩和を図りながら、試行実施を続ける。
根本的には県道高島大津線浜大津周辺の道路改善(4車線化)が必要と考えるが対応は?
茶が崎から大津港口までの区間を「道路整備アクションプログラム2023」の「着手時期検討路線」に位置付けた。今年度は、道路の概略設計を進めており、交通量を調査し、車道、歩道、自転車通行帯等の幅員構成や、道路の中心線の位置等について検討を始めた。 沿道に建物が林立しており、今後、道路拡幅による市街地への影響など課題についても整理していく。
大津市内では、集客施設や大規模マンションの建設が進められています。周辺の環境への影響を想定し、安全対策や渋滞対策などが必要です。
たねやの新規店鋪への来店者数や来店者のアクセス手段の想定は?
大津市由美浜にオープン予定のたねやの新規店舗の集客等に関するデータを県では持ち合わせていない。公表されているデータや県内の他の商業施設の状況から勘案すると、一定の集客が見込まれ、車での来場が主となると考えられる。
新規店鋪の開業による周辺道路への影響について
近江大橋周辺道路は現在でも渋滞発生箇所である。新規店舗の予定地は、出入りする動線が少なく、周辺道路の車両や歩行者の交通量が増加すれば、渋滞等がさらに発生する可能性がある。
公共交通の利用がしやすい環境整備を含め、交通渋滞の対策が必要では?
集客施設の設置に伴う周辺道路への影響や対策等は、「たねや」を「大津湖岸なぎさ公園」に誘致した大津市が、管轄する大津土木事務所や警察と協議をしている。 県は、施設がオープンした後も、周辺道路の円滑な交通が確保されるよう、必要な対策を求めるとともに、適宜助言等を行う。
石山駅北側のマンション開発が周辺道路に与える影響は?
現段階では、入居者の年代や家族構成、車両の保有状況等が不明。定住人口等の増加により、周辺道路の車両や歩行者の交通量が増加し、渋滞等が発生する可能性がある。
歩行者の安全対策が必要では?
周辺地域も含めて車両や歩行者の交通量が増加することを想定し、道路管理者と連携を密にして、周辺道路の信号周期の調整や、通学路等の必要な箇所への横断歩道設置などの各種対策を検討する。
石山駅周辺の県道について今後の交通状況の変化への対応は?
大規模マンションの建設による周辺の県道への車や歩行者の交通量の変化を注視する。影響がある場合には、交通管理者と協力し、道路管理者として必要な対応を行う。
他に、「点群データ」のオープンデータ化について質問しました。
02.22民間の発想で自由に使ってもらいましょう!~2月定例会議一般質問
点群データの活用によって、様々な分野で新しい技術やサービスが生まれることが期待されるため、行政が保有する点群データの公開を提案しました。
県保有の点群データのオープンデータ化にを進めては?
県では、行政経営方針に基づき「オープンデータ化」を推進している。各部局が保有する点群データについても、他の自治体の先行事例を参考に、データに含まれる個人や事業者等に関わる情報の扱いに留意しつつ、全国の地理空間情報を提供している「G空間情報センター」等を活用した公開について検討する。関係部局と調整を図りながら、できるだけ早期にオープンデータ化できるよう努める。
※ 点群データ・・・レーザースキャナー等による測量で得られた3次元の位置情報(x,y,z)を持った点の集合。色情報などを追加することもできる。このデータを使うと地形や建物等の地物の形状を実物と極めて近いコンピューター画像などで表すことが可能。