県議会報告
Shiga Prefecture Assembly

代表質問

滋賀県議会  令和2年6月定例会議

私たちの日常に大きな影響と変化をもたらした新型コロナウイルス感染症。これまでに、感染症への対策に取り組んでこられた皆さん、治療に当たってくださった医療従事者の方々、社会機能の維持に貢献している方々をはじめ、すべての県民の皆さんのお力があって現在に至っていることに感謝を申し上げます。

しかし、それでもなお感染症は収束に至っていません。今後も感染拡大防止の取り組みをはじめ、次々に発生する様々な課題、刻一刻と変化する社会状況に応じて的確に対応しなければならない状況であり、新型コロナと「付き合っていく」必要があります。

6月定例会議では、主に新型コロナと「付き合う」ための体制や仕組みの構築について、全部で38項目にわたって、会派を代表して質問をしました。その内容などについて報告します。

今後も、皆さんのご意見を伺いながら時々の課題解決に向けて議論を重ねてまいります。厳しいときこそ前向きに。引き続きのご支援をお願いいたします。

<代表質問>新型コロナウイルス感染症について

河井»

 経済活動を以前の水準で行うには、感染した人を的確に発見、隔離、治療へとつなげる必要がある。病床数、宿泊療養施設、検査能力など、今後必要な医療提供体制と検査体制について伺う。

知事»

 本県のこれまでの感染動向等を踏まえ、感染症の予測モデルを用いて必要な病床数を改めて試算したところ、無症状や軽症者を含むピーク時の感染者は660人となり、病床450床および宿泊療養施設250室を確保する計画を策定。PCR検査体制については、衛生科学センターのさらなる検査体制の整備と、PCR検査センターの拡充と、医療機関における検査機器の整備支援、保険適用による検査を実施する医療機関の拡充を図っていく。こうした取組や抗原検査の活用で、必要な方が検査を受けられる体制を整え、ピーク時における検査需要を見込んだ必要な体制についても、今後、検討して示していく。

河井»

 病院の運営が困難であると聞く。この状況が続くと、私たちの健康の大切な基盤である地域医療の崩壊が危惧される。感染症と付き合っていくとされる中、これまでのような受診環境にならないということを踏まえ、今後の地域の医療機関への支援のあり方について伺う。

知事»

 感染症患者受入病院に対しては、空床確保に要する経費を支援しながら感染症に対応する病床を一定数確保し、残りの病床は通常医療体制に戻していく。感染症患者を受け入れていない病院でも、患者が安心して受診できるよう、すべての病院や診療所等に対して感染拡大防止対策やオンライン診療の導入など診療体制の確保に要する経費を支援し、地域医療が持続的に提供されるよう取り組んでいく。

河井»

 感染症と付き合いながらという観点から行けば、福祉・介護分野にも支援や仕組み作りが必要と考えるが、今後の対応を伺う。

知事»

 新型コロナの流行の第二波が来ることを想定しながら、介護・福祉施設でも感染症対策に万全に備えることは喫緊の課題。今回の補正予算で、感染症対策に要する備品購入、衛生材料の備蓄、感染症対策研修会の開催等に要する費用を計上している。関係する事業者や団体のご意見等を伺い、研修会の開催や、クラスターが発生した入所施設への応援体制の構築を現在鋭意進めている。

学校教育のこれからについて

河井»

 市町教育委員会の判断を尊重するものの、同じ滋賀県の子どもが学ぶ環境に「格差」がないようにするという視点は重要だと考える。市町教育委員会との関係を踏まえて、県教育委員会の使命と役割について問う。

教育長»

 小中学校の設置は市町の事務であり、その教育内容については市町が責任を負っているが、市町の規模等は様々で、県域全体における教育水準の維持向上を図るため、県は市町の自主性を尊重しつつ、規模等の差により、市町間の格差が生じないようしっかりと支援を行うこと、これが、県教育委員会の役割であると認識している。

 臨時休業にかかる県立学校の対応を速やかに市町に伝えることで、各市町での取組の参考としていただいている。また、子どもたちが家庭学習を進めるための授業動画を配信するとともに、テレビ放送を行うことで、県内の子どもたちに等しく学ぶ機会が保障されるように取り組んできた。今後も、各市町の状況を把握し、市町教育委員会への情報提供、また、取組の共有化を継続して行うなど、市町間の格差が生じることのないよう、必要な支援を迅速に行っていく。

流域治水の推進について

河井»

 「地先の安全度マップ」は地域の治水の状況を表す基礎データである。治水安全度を高めるには、河川改修などにより浸水深を低下させるのも一つの手法であるが、人口減少の局面にある今後の土地利用を検討する際には、住宅などでの利用を避けるということも重要。

 今後、さらに安全な土地利用と住まい方を誘導するために、この「地先の安全度マップ」を使い、どのような取り組みをしていくのか。

知事»

 今般、一部改正された都市再生特別措置法等において、頻発・激甚化する自然災害に対応するため、災害危険区域を立地適正化計画の居住誘導区域から原則除外し、災害危険区域では自ら営業を行う店舗や病院等の業務用施設の開発も原則禁止するとされたところ。法改正の趣旨も踏まえ、災害危険区域にあたる浸水警戒区域の指定を、スピード感を持って進めていきたい。

 今年度より、県と市町が一緒になって県全体のまちづくりのあるべき姿を議論し、都市計画の基本的方針を取りまとめたいと考えており、この中で、「地先の安全度マップ」などで示す水害リスクを踏まえた住居系エリアや業務系エリア等の誘導方策についても検討していきたい。

 その他にも、「美の滋賀」「各種犯罪の状況、交通事故の状況とその対策」の各項目について質問をしました。

滋賀県議会  令和2年2月定例会議

一般質問

 「“しがCO2ネットゼロ”ムーブメント」キックオフ宣言を2020年の年頭に行った滋賀県。今後の県の事業推進に当たっては、旗振り役として他に範を示すべく、省エネや低炭素社会へ向けた取り組みについて今まで以上に優先順位高く取り組む必要があると考えます。特に公共施設は長期にわたって使用します。エネルギーの消費量や二酸化炭素の排出量は、基本的に整備したときの性能となります。省エネや低炭素化はいつ、どのような方法で取り組むのか、計画的に実行する仕組み作りについて提言しました。省エネも低炭素化も、相応のコストが必要です。将来への投資ができるのか覚悟が問われると考え、県の見解を問いました。

 新年度予算を決定する2月議会を終えましたが、刻々と変化する社会や経済の状況に併せて、適切に柔軟に予算が執行されるように、これからも様々な提言を行いながら取り組んでまいります。引き続きのご支援をお願いいたします。

<一般質問>しがCO2ネットゼロ 一問一答

河井»

 近代美術館の閉館前のCO2排出量について

文化スポーツ部長»

 近代美術館が通常開館していた平成28年度の電気およびガスの使用量から算出したCO2排出量は年間約411.7トンです。

河井»

 老朽化対策工事後のCO2排出量について

文化スポーツ部長»

 再開館後のCO2排出量は約 359.3トンに減少すると見込んでいます。

河井»

 老朽化対策工事前後のCO2排出量の増減とその詳細は?

文化スポーツ部長»

 今回は必要最小限な工事となっていて、空調のシステムは、全体ではなく、老朽化が著しい一部の機器を更新するに留まるためCO2の排出量はほぼ変化がありません。一方、照明は、今回の工事範囲の展示室やロビー、トイレ等をすべてLED照明に更新することにしており、CO2の排出量が減少します。これにより年間約52.4トン削減できると考えています。

河井»

 近代美術館を今後10年、20年と使用することを踏まえた工事後のCO2排出量の評価は?

琵琶湖環境部長»

 今回の工事は、早期の再開館に必要な最小限であり、その中で、照明設備のLED化が行われる点は、一定評価できると考えます。

河井»

 しがCO2ネットゼロに向けて十分か?

琵琶湖環境部長»

 一定評価できるとしましたが、CO2 ネットゼロということに向けましては、まだまだ削減する必要があります。

河井»

 通常の工事において、施設での省エネなどの対策について客観的な評価がされているか

琵琶湖環境部長»

 「グリーン・オフィス滋賀」※では、施設をつくる段階で、このような省エネ対策の実施を求めていますが、一つ一つ具体的に排出量の計算を比べるというところまでできていないかもしれません。今後は評価していきたいと思います。

河井»

 近代美術館については老朽化対策工事のタイミングを活かして、できる限りの省エネ対応などの取り組みを「今」行う必要があるのでは?

文化スポーツ部長»

 指摘の点は重要な課題であると認識しています。今回の工事では、先述の削減見込みですが、今後の館の運営においても、例えばスポットライト等の備品の導入では低電気使用量のものを選定する、あるいは、ペーパーレス化をさらに進める、などの取組を行い、CO2排出量およびエネルギー消費量の削減に取り組みます。また、今後近代美術館についてさらに施設の整備を行う場合には、将来を見据えた施設全体のCO2排出量の削減に向けて整備の在り方を検討したいと考えています。

河井»

 事業の計画段階からCO2排出量を明確にし、できる限り削減の方策を施すことで省エネ、低炭素化に取り組むことについての見解は?

知事»

 計画段階において、エネルギー収支やCO2排出量を把握し、実施可能な省エネ対策を検討すること、また県庁が率先して取り組むことは、CO2ネットゼロに向け極めて重要だと認識しています。

 滋賀県環境審議会では、CO2ネットゼロ推進に向けて「滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例」の見直しの検討を開始していて、その中で県庁も含めて建築物全体について、計画段階からの省エネの取組についても議論する予定です。

河井»

 公共施設において「省エネ改修工事」等を行うことについて見解は?

知事»

 省エネや低炭素化だけを目的とした工事を行うことは消極的です。県民サービスへの影響および財政負担等を勘案して、例えば長寿命化などの改修や改築工事などにあわせることで、効率的かつ効果的に取り組むことが必要だと考えます。

河井»

 施設データへのエネルギー使用量等の記載など、公共施設マネジメントとの連携した取り組みを。

知事»

 積極的にやるべきだと思います。施設ごとにエネルギーの収支やCO2排出量を把握し、その時々において、実施可能な省エネ対策を実施することでCO2ネットゼロを目指すことは、とても重要だと思います。公共施設マネジメントの取組とも連携して実施すべく、その手法を検討していきます。

河井»

 公共施設における省エネ化や低炭素化の推進を管理する体制が必要では?

知事»

 現在は「グリーン・オフィス滋賀」※に基づき、全庁的な推進および運営管理を行い、組織を統括する率先行動計画管理責任者を設置し、計画を推進しています。今後は、この組織とともに、新たに設置する「しがCO2ネットゼロ推進本部」においても、公共施設における省エネ化等の推進をしっかりと管理できるように、その体制等についても検討し、整備していきます。

※「環境にやさしい県庁率先行動計画(グリーン・オフィス滋賀)」では、施設の改修等を行う所属に対して、省エネルギー診断を積極的に活用し、施設全体の省エネ対策立案の参考とするとともに、適切な規模で、かつエネルギーの効率的利用が可能な設備の導入を進めることを求めています。

かわい昭成後援会事務所

所在地:〒520-0802 滋賀県大津市馬場3丁目13−28
TEL:077-523-2701 FAX:077-522-4477
MAIL:otayori@a-kawai.net