議会メモ
Memo
25年度1月特別会議 討論
市民ネット21会派を代表し、「第79回国民体育大会においてびわこ文化公園都市を主会場に決定することを求める意見書」について賛成の立場で討論します。
国民体育大会は、滋賀県が主催するものであり、主会場選定にあたり、県有の財産、県有の施設を主に使用して開催するという視点で考えると、「滋賀県立彦根総合運動場」、「希望が丘文化公園」、大津市の「びわこ文化公園都市」の3か所が現状の候補地であり、比較検討がされています。この中では、人口も多く、宿泊施設なども多い大津市において主会場を選定することは「理にかなう」と考えます。また、1巡目の国体を開催した経験を有することは大きな強みであると言えます。
しかしながら、「びわこ文化公園都市」を主会場とする場合、少なくとも主会場だけで、3案の中で最も多額である217億円の初期費用がかかると試算がされる中、いくつか未提示のデータや懸念事項があり、今後も慎重に検討を重ねる必要があると考えます。
1.維持管理費などライフサイクルコストの検証が未提示であること
現在までの検討資料には、いずれの候補地についても、大会開催後の主会場施設の維持管理費などの運営費などが示されていません。言うまでもなく、国体はきっかけであり、施設はその後の利用と維持管理や運営まで考え、投資や維持経費に見合った効果を発揮する設備となるように計画することが大変重要であります。後の施設利用の見込みなどを含めたライフサイクルコストの検討が十分になされ、県民に示される必要があります。
2.他の体育施設整備などを含めた全体計画が未提示であること
国体は主会場となる陸上競技場だけで開催できるものではありません。大津市のみならず、滋賀県全体で見ても、バレーボールやバスケットボールを行なう観客席を備えた体育館、規格に沿った競泳のプール、要望も多い懸案のサッカーやラグビーが開催できる球技場、陸のスペースが手狭で施設も古い漕艇場・・・などの整備も陸上競技場と同様に必要であり、主会場の議論の際にも、他の施設を含めた全体計画を示し、市町の費用負担を含めた滋賀県全体での総額費用を踏まえながら選定作業を行う必要があると考えます。そのためにも、全体計画や想定している総額予算などを示すことが必要であると考えます。
3.環境アセスメントの実施など自然環境への配慮が必要なこと
近隣の龍谷大学の敷地では、絶滅危惧種の里山の猛禽類と言われるオオタカの営巣が確認されており、計画地でもこれらの生息地となっている可能性があります。計画地では、このような保全すべき「里山」として、自然環境の保全について配慮をしなければならない可能性があると指摘されています。このような点も含めて、今後行われることになっている環境に対する影響の評価(アセスメント)について、適切かつ早期の実施は大変重要であると考えます。
4.低炭素社会を目指す政策に対する整合性をとる必要があること
環境への配慮の中でも特に、滋賀県では、賛否はともかくとして、非常に高いCO2削減目標を掲げて低炭素社会を目指しています。このような中、CO2の吸収を担う「森」を切り開き、その会場へのアクセスは、主に「車」という計画になっています。非常に高いCO2削減目標を掲げている滋賀県として、この開発はCO2増加方向に働きますが、これと引き換えにどのような方法で、CO2削減目標との整合性を取るのか示す必要があると考えます。
5.交通アクセスの課題への配慮が必要であること
「びわこ文化公園都市」を主会場とする場合、現状、鉄道など公共交通でのアクセスが不便であり、国体後の施設活用に影響が出ないように連携などの対策を考える必要があります。特に、小・中・高校生、子どもたちに、第一種の本格的な陸上競技場を、十分に使ってもらいたいと考えます。「子ども達にとっても使い易い施設」この点の配慮が必要と考えます。
この国体に関する事業は、開催する10年後とさらにその後の10年、20年の大津市、滋賀県をしっかりとイメージして、スポーツ振興はもとより、他の施策や財政状況等を加味しながら進めていく必要があると言えます。特に国体までの10年間は、滋賀県においても人口減少への転換期であり、国・県・市町の財政状況に見合った計画となっているのかについて、今後も詳細に検討が必要だと言えます。県に対し、県民に対する説明責任を果たすように求め、しっかりと取り組む様に要請する必要があります。
一方で、アセスメントの結果等もこれからのものも有り、先に述べた未提示の検討項目も多いことから、大津市としては、状況に応じ、柔軟に変化に対応できるように備えておく必要があると考えます。
大津市は「公共施設マネジメント」の推進に取り組む中で、維持管理費を含めたライフサイクルコストによる評価を行うことや、持続可能で効率的な公共施設運用のため、国・県・他の地方自治体との共同運用を行うことなどをコスト縮減の手法の一つとして挙げるなどしていることを鑑み、今回、主会場の誘致を「びわこ文化公園都市」と主張するに当たっても、根拠となるデータをしっかりと持ち、大津市としても、ライフサイクルコストの検証と結果の説明を行ないながら、主会場、その他の競技施設も含めて、市の持つ既存施設の有効活用等でのコスト低減の提案等を積極的に行い、最小の費用で、目指す効果を得られるように、そして創意と工夫をもってより良い国体となるように、全市を挙げて取り組むべきであると考えます。
以上、討論といたします。
2014.01.10
国民体育大会は、滋賀県が主催するものであり、主会場選定にあたり、県有の財産、県有の施設を主に使用して開催するという視点で考えると、「滋賀県立彦根総合運動場」、「希望が丘文化公園」、大津市の「びわこ文化公園都市」の3か所が現状の候補地であり、比較検討がされています。この中では、人口も多く、宿泊施設なども多い大津市において主会場を選定することは「理にかなう」と考えます。また、1巡目の国体を開催した経験を有することは大きな強みであると言えます。
しかしながら、「びわこ文化公園都市」を主会場とする場合、少なくとも主会場だけで、3案の中で最も多額である217億円の初期費用がかかると試算がされる中、いくつか未提示のデータや懸念事項があり、今後も慎重に検討を重ねる必要があると考えます。
1.維持管理費などライフサイクルコストの検証が未提示であること
現在までの検討資料には、いずれの候補地についても、大会開催後の主会場施設の維持管理費などの運営費などが示されていません。言うまでもなく、国体はきっかけであり、施設はその後の利用と維持管理や運営まで考え、投資や維持経費に見合った効果を発揮する設備となるように計画することが大変重要であります。後の施設利用の見込みなどを含めたライフサイクルコストの検討が十分になされ、県民に示される必要があります。
2.他の体育施設整備などを含めた全体計画が未提示であること
国体は主会場となる陸上競技場だけで開催できるものではありません。大津市のみならず、滋賀県全体で見ても、バレーボールやバスケットボールを行なう観客席を備えた体育館、規格に沿った競泳のプール、要望も多い懸案のサッカーやラグビーが開催できる球技場、陸のスペースが手狭で施設も古い漕艇場・・・などの整備も陸上競技場と同様に必要であり、主会場の議論の際にも、他の施設を含めた全体計画を示し、市町の費用負担を含めた滋賀県全体での総額費用を踏まえながら選定作業を行う必要があると考えます。そのためにも、全体計画や想定している総額予算などを示すことが必要であると考えます。
3.環境アセスメントの実施など自然環境への配慮が必要なこと
近隣の龍谷大学の敷地では、絶滅危惧種の里山の猛禽類と言われるオオタカの営巣が確認されており、計画地でもこれらの生息地となっている可能性があります。計画地では、このような保全すべき「里山」として、自然環境の保全について配慮をしなければならない可能性があると指摘されています。このような点も含めて、今後行われることになっている環境に対する影響の評価(アセスメント)について、適切かつ早期の実施は大変重要であると考えます。
4.低炭素社会を目指す政策に対する整合性をとる必要があること
環境への配慮の中でも特に、滋賀県では、賛否はともかくとして、非常に高いCO2削減目標を掲げて低炭素社会を目指しています。このような中、CO2の吸収を担う「森」を切り開き、その会場へのアクセスは、主に「車」という計画になっています。非常に高いCO2削減目標を掲げている滋賀県として、この開発はCO2増加方向に働きますが、これと引き換えにどのような方法で、CO2削減目標との整合性を取るのか示す必要があると考えます。
5.交通アクセスの課題への配慮が必要であること
「びわこ文化公園都市」を主会場とする場合、現状、鉄道など公共交通でのアクセスが不便であり、国体後の施設活用に影響が出ないように連携などの対策を考える必要があります。特に、小・中・高校生、子どもたちに、第一種の本格的な陸上競技場を、十分に使ってもらいたいと考えます。「子ども達にとっても使い易い施設」この点の配慮が必要と考えます。
この国体に関する事業は、開催する10年後とさらにその後の10年、20年の大津市、滋賀県をしっかりとイメージして、スポーツ振興はもとより、他の施策や財政状況等を加味しながら進めていく必要があると言えます。特に国体までの10年間は、滋賀県においても人口減少への転換期であり、国・県・市町の財政状況に見合った計画となっているのかについて、今後も詳細に検討が必要だと言えます。県に対し、県民に対する説明責任を果たすように求め、しっかりと取り組む様に要請する必要があります。
一方で、アセスメントの結果等もこれからのものも有り、先に述べた未提示の検討項目も多いことから、大津市としては、状況に応じ、柔軟に変化に対応できるように備えておく必要があると考えます。
大津市は「公共施設マネジメント」の推進に取り組む中で、維持管理費を含めたライフサイクルコストによる評価を行うことや、持続可能で効率的な公共施設運用のため、国・県・他の地方自治体との共同運用を行うことなどをコスト縮減の手法の一つとして挙げるなどしていることを鑑み、今回、主会場の誘致を「びわこ文化公園都市」と主張するに当たっても、根拠となるデータをしっかりと持ち、大津市としても、ライフサイクルコストの検証と結果の説明を行ないながら、主会場、その他の競技施設も含めて、市の持つ既存施設の有効活用等でのコスト低減の提案等を積極的に行い、最小の費用で、目指す効果を得られるように、そして創意と工夫をもってより良い国体となるように、全市を挙げて取り組むべきであると考えます。
以上、討論といたします。
2014.01.10